こんな治療もできる!被せもの治療と矯正治療によって得られる新しい噛み合わせ!

二ケイ酸リチウムセラミックの被せ物

 「矯正治療って何歳まで出来るの?」

「もう歳だし、今更歯並び治すなんて。。。」

どちらも年齢は関係ありません!!!治しましょ(^^)

 歯並びや噛み合わせが悪いと時として歯周病になってしまう話は前のブログhttps://kenzo-dc.com/445にも書きました。歯周病とは簡単に言えば歯の周囲の骨が溶けてしまう病気です。

 

 実は歯並びや噛み合わせが悪いともう一つの大病を患うリスクが高まります。
それは。。。

全体的にすり減った歯

   

 

☝歯の摩耗、磨り減りです!

上の写真の上下の歯が咬み合っていないのがおわかりになりますか?

上前歯裏側、摩耗が著しい 下奥歯の摩耗が著しい

 ほぼ全ての歯に、噛み合わせの面のエナメル質が著しく摩耗して歯が平らになり、象牙質が露出している状態が見てとれます。この現象は歯ぎしりや噛み締めが強い方、強酸性の飲み物や食べ物を好む方、逆流性食道炎や摂食障害(嘔吐癖)などで認められます。

 またご本人は噛みにくい事は自覚されていますが、噛みにくさをだましだまし使っていたがために噛み合わせがズレている事には気づいていませんでした。。。

 通常人体の中で最も硬い組織であるエナメル質が磨り減るほどの噛む力が歯には加わり、その力は体重以上えあることもわかっています。一度露出した象牙質は柔らかい組織なので、あっという間に削れてしまいます。

歯が擦り減ってしまうとどうなるのでしょうか?

 

 あなたは肉食?草食?雑食?

 

肉食、草食動物それぞれの歯の特徴を写真で見てみましょう。

☟肉食動物:正に肉を噛みちぎるために鋭く尖った歯並びをし、垂直的なチューイングパターン(食べる時に顎がどう動くか)で咀嚼をします。

 

 ☟草食動物:草や木を磨り潰すためにすり鉢のような歯の形をしていて、凹凸も少ないですね。

水平的なチューイングパターンで咀嚼します。

☟ヒト(雑食動物):本来あるべき我々人類の歯の形です。鋭い歯(前歯)で肉も噛みちぎれば奥歯(臼歯)で野菜も磨り潰す機能を持ち合わせています。

楕円を描く様な複雑なチューイングパターンによって咀嚼を行っています。

  つまり、我々ヒトの歯は尖りすぎていても平ら過ぎても咀嚼、食事しにくい状況になります。
冒頭写真の患者さんの様に歯が磨り減りすぎた場合、結果として歯が磨り減り、ときに歯の位置が変化し、顎関節症や咀嚼筋痛、頭痛や噛み合わせの悪い変化、歯周病等が併発する場合も少なくありません!

 ですのでそうなる前に予防を心掛けるべきですが、日本人は悪くなってから病院にかかる習慣が未だにありますね(私にも言える事です 笑)。

 

 成人のための矯正治療

歯の磨り減りが著しい噛み合わせ

 この方は歯の磨り減りによってやや受け口にな噛み合わせになってしまっています。その改善のために歯並びの改善のため矯正治療と、その後摩耗し平らになってしまった歯の形のかいぜんのための被せ物治療を行いました。

 

 ではまずこの状態からどうやって矯正治療するのでしょうか?闇雲に歯を動かす??
そんなわけはありません笑


全ての歯を適切な位置に移動させるためには綿密な治療計画、図面が必要です!!!

☟先ずは骨格分析のための規格レントゲンを撮影し、

 

☟それを元にどうすれば理想的な歯並びが得られるかを数値的に分析します(リケッツ分析)。

赤線が治療前横顔の骨格(受け口)、青線が治療後横顔の予想骨格(ほぼ正常)

 

 

 

 

 

 

 

 

☟同時に現在の歯並びを頭蓋骨、顔貌、笑った時の歯の見え方などを分析し、さらに中心位の噛み合わせを記録し模型を咬合器に取り付けます。
 

☟分析結果から得られ数値を元にどの歯をどの程度動かすかを分析し模型上でシミュレーションします。

この段階でもし抜かなければならない歯があるならば、模型上でもその歯を抜いてシミュレートします。

この模型をセットアップ模型と呼んでます。

  

☟次に治療前のレントゲンを見てみましょう。

治療前レントゲン

 向かって右上神経の無い奥歯(目印がつけられなくてごめんなさい、真っ白く見える歯です)が割れていて、これはさすがに抜かなけれなりませんでした。
 他歯周病は無い代わりに歯が磨り減って先端が平らに見えます。

 

☟割れた歯を抜き、全体的な矯正治療によって病的に動いてしまった歯を理想的な位置に動かしている途中です。

奥歯移動中

 

☟治療開始2年半、矯正治療が終わったところです。

矯正治療終了後レントゲン

抜いた歯の代わりに埋まっていた親知らずも引っ張りだして後の二本の神経がある歯が移動しました!

はい、歯の形に極端に異常のない方はこれで治療終了です!
。。。

 

☟歯が磨り減りすぎていて短く、草食動物のごとく平らで、ヒトの歯としての正常な機能が営めません。。。(それでも無理矢理噛める事は噛めるのですが。。。)
この状態だと動かした歯は後戻りもしやすく、やがて歯は徐々に失われていくかもしれません。

矯正治療終了時

 

正真正銘セラミックによる弱った歯の被せもの治療

矯正治療が終わっていよいよ歯の着せ替え(歯の形を復元する)、被せ物治療です!

☟先ずは矯正治療終了後の歯の型取りをし、足りない部分にロウ(ワックス)を盛り、理想的な形を模型上で復元します。

矯正治療後ロウ模型

☟このロウ模型の形を今度は実際の歯に移してみます。この段階では歯は削りません(左が矯正治療終了時、右が樹脂による前歯を復元したモックアップ)。

 モックアップスマイル評価

問題なく仮の樹脂による歯の形が問題なく機能できる事を確認し、いよいよ最終的(確定的な)な被せ物をお入れします。

☟この方は噛み合わせの高さを変えさらに受け口を改善します。前歯が正常な形に復元できるだけのスペースが確保されました。

噛み合わせの高さを変えさらに受け口を改善

 

☟最小限度(エナメル質は可及的に残す)且つ、被せ物の強度が得られるだけの良を削ります。
   

確定的セラミックの被せものを接着し噛み合わせ再構成治療の終了です!

 
☟噛み合わせ面も見てみましょう。平らだった噛む面には解剖学的に理想的な凹凸、隆起が新しく付けられています。

 

治療直後からまったく違和感無いと患者さんにも大変喜んで頂けました。長く治療した甲斐がありました〜!!!

いかがでしたか?こんな治療があるって一般の方は想像すらできませんよね?
でもこれが本来あるべき理想的な噛み合わせ治療なんです。

歯の磨り減り、受け口、出っ歯、噛み合わせでお悩みの方は是非一度当院をお尋ね下さい。きっと光が見えるはずです。

ご相談お問い合わせは☟
https://kenzo-dc.com/contact
またはお電話で
03-6844-8568

院長 健造

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

コメントを残す

お名前 *